土壌汚染の記載

ここでは、物件調査報告書や鑑定評価報告書における土壌汚染の調査や書き方について、ポイントを記載しています。

土壌汚染に必要な3つの視点

次の3つの調査を行い、結果を記載します。

①役所調査

1つ目は役所で行う調査です。調査する内容は、下記の通りです。

土壌汚染対策法

要措置区域、形質変更時要届出区域か否か

旧土壌汚染対策法(要説には記載するように書いて有るため、記載したほうが望ましいです。)

有害物質使用特定施設の敷地、調査義務、指定区域、汚染の除去等の措置を命令

水質汚濁防止法

特定施設の届出

下水道法

特定施設の届出

その他条例等に基づく届出

例えば東京都では、東京都環境確保条例に基づく届出です。何があるかは、区役所や市役所の環境◯◯課に行って聞くのが一番はやいです。

いずれも、区役所や市役所の環境◯◯課などにいけば、台帳が閲覧できるので、そこで対象不動産の所在地やその周辺で該当するものがないかをチェックしましょう。また、届出がある場合でも、有害物質が使われていない(騒音等に基づく届出など)場合もあるので、内容について役所の人等にヒアリングします。

なお、東京都の場合、土壌汚染対策法については↓からチェック可能です。

http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/chemical/soil/law/designated_areas.html

②地歴調査

2つ目の地歴調査は、主に、次の2つの資料で行います。

過去の住宅地図

対象不動産やその周辺が過去どのような使われ方をしていたかをざっと見ます。

図書館にいけば過去地図があるので、1950~2010の住宅地図など、10年毎程度に過去地図を見て、利用状況をチェックします。

なお、東京都であれば、現地の図書館に行かなくても、↓の都立中央図書館で大体の過去地図は揃います。

http://www.library.metro.tokyo.jp/1v/1v012.html

閉鎖登記簿(建物)

過去に存在していたが今はない建物の記録を追うことで、対象不動産の過去の利用状況をチェックします。

法務局に行かなくても、郵送してくれます。

基本的には、2つとも、過去の利用状況をチェックするものです。

③現地調査

3つ目の現地調査は、実際に現地に行って、目視やヒアリングで嫌悪施設がないか等の確認をします。

土壌汚染の記載ポイントと記載例

あとは、上記3つの結果を記載し、鑑定評価上での取り扱いを記載します。

ポイントは、何(どこ)で調査を行ったか、調査の結果どうするかをきちんと記載することです。

下記に例を記載するので参考にしてください。(なお、修習では丸写しはチェックしているようです。非認定のリスクがあるので、必ず自分で噛み砕いた文章にしましょう。)

なお、内訳書や物件調査報告書に記載するときは、補足事項に一部飛ばしたり、まとめたりと工夫をして漏れがないようにしておきましょう。

記載例

◯対象地および周辺地域の過去の利用状況は、閉鎖登記簿および1950・1960・1970・1980・1990・2000・2010年の住宅地図によれば駐車場・戸建住宅地等であった。

◯◯区環境保全課で対象地・周辺地域は、

・土壌汚染対策法に基づく要措置区域・形質変更時要届出区域に該当しないこと

・水質汚濁防止法に基づく特定施設の届出がないこと

・下水道法に基づく特定施設の届出がないこと

・東京都環境確保条例に基づく事業場等の届出がないこと

・過去に旧土壌汚染対策法に基づく指定区域等に該当していないこと

を確認した。

◯加えて、対象地・周辺地域の現地調査の結果からも、対象不動産に土壌汚染が存在することを示す端緒は、発見されなかった。

◯以上より、土壌汚染が対象不動産の価格形成に大きな影響を与えることはないと判断し、土壌汚染を価格形成要因から除外して、鑑定評価を行う。